高所恐怖症の元スノーボーダーがフリースキー初心者となってゲレンデに戻った記録。
東京が初夏の気候でも、たとえ湯沢の桜が散っても、山に雪がある限り俺の冬は終わらない。
洞窟みたいな謎のトンネルを抜け、俺は奥只見丸山スキー場に初めてやってきた。
豪雪過ぎてハイシーズンにクローズするスキー場、すげーじゃん、行ってみたいじゃん。
↑んで、ゲレンデに生えてる草を初めて食った。
うまいじゃんこれ!!
↑実は先週、こんなスキーヤー達を目撃。
春スキーなんてやったことないから「うぉーあいつら山菜取ってるぞ!!」と証拠写真まで撮って大興奮したのだが、なるほど、そういうことか。
さてさて秘境奥只見、ちょっと変わったスキー場だ。音楽がない。
野鳥の保護のためなのだそうだ。
自然を守ってるかんじ、カッコイイね。
リフト3基、極めてシンプルな奥只見だ。
チェアリフトに安全バーがないのは高所恐怖症の俺には堪えるが。
俺と相方は、まず右側時計まわりのコースを滑った。
音のない静かな貸切のようなゲレンデ、なんとも言えない。
しかしこのコースは、若干の登りがあった。
スケーティングで必死にエッサエッサしたり、相方(スノボ)を引っ張ったり押したり。
おかげで俺はストックを使ったパワフルなスケーティングを覚え、相方はワックスの重要性に気づいてくれた。
もちろん俺の両腕は初日で死んだ。
ビールでエネルギーを補給し、頂上のキッカーをチェック。
キッカーでけー!
ハンパない奥只見のパーク。
飛んでるやつらもすげーうまい。
↑スピードを落としながら飛ぶゲレンデジャンプは、加速して飛ぶバイクの逆。
バイク乗りの俺には理解不能な動力だ。
キッカー待ちが長いと、ボーダーたちはバンクドスラロームを掘っていた。
その間も巨大キッカーから大砲のようにぶっ飛ぶボーダーとフリースキーヤー。
なんなのここ、すげー上級者用ゲレンデなの?
↑・・・と思っていたら、とんでもない奴らもいたけど。
よくわからんスキー場だが、ほとんどが相当な上級者のようだ。
まぁこのゲレンデ、最初のリフトの降り口がすでに中斜面だし、 洞窟みたいな長いトンネル抜けて、ダムとスキー場しか無い山奥来るやつらなんて、余程の変態に違いない。
俺たちはカモシカゲレンデA~Bコースに行くことにした。
Aコース上部は、リフト脇にコブがある滑りやすい中斜面。
俺はコブの滑り方を知らない。
コブの間隔に合わせて、コブの隣を滑ってみた。イメトレだ。
でも、コブと同じ幅で止まれないしターンもできなかった。
途中、意図せずしてコブに突っ込み、コブに刺さった。
板の先と後ろがコブに橋をかけるように刺さっている。
前にも後ろにも板が動かず、板を外そうにもブーツ下が空間のため板がたわんで外れない。
試行錯誤の末、一旦雪に転んでから足を上げれば、脱出できると学ぶ。
オムツ替えポーズでコブから必死に脱出する俺。
何この羞恥プレイ?
そのままAを降りるとカモシカEコース37度だが、手前で迂回すればA(下部)35度か、Bコブ30度に逃げることができる。
斜度が30度ある時点で迂回じゃないと気づいたのは、中斜面Aを降りた後だった。
↑Aコース下部は急斜面。
上部クラックの下から左側なら斜度がキツいけれど滑れそうだ?
コブを避けるとなると木が生い茂っているし、この亀裂はジャンプできるのか?
↑上から見てみる。右に降りればA下部だ。
はい、崖。
ムスカ登場。
俺無理、お疲れ。うーん、悔しい。
高所恐怖症はつらい。
↑しかし迂回のBコースも、俺にとっては命がけだ!
全面コブ、俺半泣き!
まじか。
コース脇へ避難。
結構な斜度だが、俺は上の写真くらいの斜面なら、ジャンプターンしながら滑り降りることができるようになっていた。
滑り方はきっと間違っていると思うが、コケることもないから楽しい。
しかしコブは手も足も出ない。
バイクの時も、ザラメっぽい急斜面は好きだったが、枕みたいな岩だらけの富士山は苦手だった。
デコボコを克服しないといけないようだ。
カモシカC。
この斜面を直角に降りたら面白そうだ。
↑奥只見滞在3日目、八崎ゲレンデのカリカリ斜面に、雪出し15cmの段差ができていた。前日にない段差だ。
Bコースでコケないのに、この段差で豪快にコケた俺。
あぁ、リフトの奴らが俺をみて笑っている!
俺の奥只見の羞恥プレイはこうして幕を閉じ、俺は
結局、怖くて全部のコースを試せなかった。
でも、コブ回避の急斜面を練習できたことは、大変勉強になった。ありがとう、奥只見。
奥只見スキー場は体育館が無料休憩所として開放されており、中は広々としている。
宿泊者にはワックス台とアイロンも。
ブーツの乾燥ラックもあり、滞在中はとても快適だった。
奥只見は本当にスキー・ボードが好きなやつらに愛されてるゲレンデなんだと思う。
いつか、俺は奥只見のAコース下部と37度Eコースのコブを攻略してやる!
そして富士山を優雅に滑るんだ!
と、心に誓ったのであった。
「高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいもんな」
降りるときも気持ちいいに決まってる!
いいことばかりでは無いさ
でも次の扉をノックしたい
もっと大きなはずの自分を探す
高所恐怖症の旅~
コブがなければそこそこの急斜面は怖くなくなってきた。
急斜面のショートターンも少しできるようになってきた。
俺、少し成長したかもしれない。
スキー: 今日の学び
でも、リフトが怖い。