高所恐怖症の元スノーボーダーがフリースキー初心者となってゲレンデに戻った記録。
急斜面で小回りできず、横滑りでやり過ごすしかなかった初心者の俺。
一度もターンが出来ないから、スイッチでつづら折りで降りていたが、一方の足だけで長時間横滑りするのは片足への負担がでかい。
なのでたまに命賭けでターンして谷足を交換する。
そして次第に命がけターンの回数が増え、いつのまにか命を賭けなくてもターンして滑れるようになってきた。スキーは不思議である。
スキーを始めて1年が経ち、ゲレンデはどのコースでも降りられるようになった。
スラロームやコブなど決まったルートを滑るよりも(そもそも滑れない。笑)、荒れた不整地を苦労して降りることに快感を覚えるようになった俺。
つーことで、5ロマで外の世界へ。
前回の神立オリオン45度の屈辱は晴れていないんだけど、バックカントリー/サイドカントリーの世界も、斜度は容赦ない。
まぁ恥ずかしくて神立いけないけど(理由。笑)、今行ったら滑れる気がする、たぶん。
深雪パウやモナカ雪は辛いけれど、ギタギタに荒れたパウダーやボッコボコの不整地・急斜面はもう大丈夫!むしろ大好きである。よっしゃー!
俺はその日、一人某斜面をトラバースしていた。
すると後ろから女性のピンク色の声が聞こえたんだよね。
女性: あ♥ きゃっ♥
つーかまじでバックカントリー中に何してんの??
と思って振り向くと、スノーボーダーの女性が俺に近づいて来る。(俺は景色を撮影中だった)
そこは俺がいる場所の上下にも複数の横道が輻輳していて、トラバースのトラックはすでにズタズタでないも同然。
彼女が俺をよけるのは簡単なはずだ。
しかし進行方向制御不能の女性は俺の真後ろに迫って停止した。
まるで俺は彼女の障害物だ。
見つめ合う俺と彼女。
俺: ・・・どいて欲しいんですか?笑
女性: あっ、はい、そうして頂けると…。
なんで前方の俺がよけんのよと思いつつ、しょーがないので1〜2メートル標高を下げて彼女に道を譲り、撮影を続けた。
すると後ろからまた彼女の声が。
女性: あ♥ どうしよう、やだ、引き寄せられちゃう♥
とか言って、標高を下げた俺の所に降りてくる女。まじか、そこまでボードのコントロールできんのか??
女性: ごめんなさぁい♥
彼女は、俺を突き飛ばして「きゃ♥」とかほざきながらトラバースを続け消えていったのだった。
よく見ると、きゃぴきゃぴギャルではなく、相当年上の"ギャル"であった。
○| ̄|_
スキー: 今日の学び
俺の標高返せ。