高所恐怖症の元スノーボーダーがフリースキー初心者となってゲレンデに戻った記録。
最近の俺は、ゲレンデをほとんど滑っていない。可愛い女の子いないし。
ゲレンデ行ってもすぐ脇の林に消えてく感じで、バックカントリーにも出ることが多くなった。
林の中とかにすげー美女の雪女とかいるかも知んないじゃん?(いねーよ)
つーことで今日は、KG1(かぐらスキー場)の裏山の写真をアップします。
↑4月上旬は、寒波で裏山は面ツルパウダー。
この斜面でパウダーの練習ができるなんて!神様ありがとう!
ガイドさんのアドバイスで、以前パウダーが滑れていなかった理由がわかり、滑らかに滑る方法がちょびっとだけ分かってしまった。俺ラッキー。
俺はこーゆーの無理、もー絶対、無理。
そういう日はゴロマを使わずに滑れるパウダーエリア(林の中)に避難する。しょっちゅうヘンな所滑ってるので、ルートも色々開発済みだ。
看板まで行けない日は、メインゲレンデをシールで登ったりもする。
「100%のリフト依存」から脱却した時初めて、ゆったりと時が流れる本当の雪山が見えるようになった。
これには心底驚かされた。こんな世界があったのかよ!
俗世とこちら側の境目は、リフトなんじゃねーの?
とさえ思ってしまうほどだ。
クローズしたゲレンデを登る変態は少ないので、そんな日は競合もほぼゼロ、空いてて最高だよ。
(人がいないツリーランであんなことやこんなことしたい美女がいたら一緒に滑ろうネ?連絡待ってるよ?)
↑さんかく。ガイドによってこの急登の攻め方が異なる、面白い急斜面だ。
美しい稜線のフィールドでは、登りだけではなくシール滑りも練習できる。
初めてシールで登って滑ったときも撃沈したが、何度滑っても未だに苦手だ。
ゲレンデでテレマーク滑りの練習をしたいくらいだ。(キングピンが壊れるらしいのでやらないけど)
この辺は谷川連峰と同じ、標高2000mの山岳地帯。春でもパウダーを滑れる日もある。
この広大な斜面が貸切天国なんだから、そりゃたまらんよね。
「軽く乾いた雪には優しく荷重し、雪質が重くなるにつれて板への圧力を変えてターンする。」
当たり前の理論が、標高をガンガン落としながら雪質の変化をリアルタイムで感じて滑ることで、それに応じた滑りができるようになっていく。
足裏に伝わる雪の感触で、雪が答えてくれるのが分かる。
板は滑らかに運ばれ、ターンが始まる。
あとは、ただただ、風を切って、鳥のように大雪原を舞うだけだ。
そりゃーもー大回り天国だよ。
これが、あの基礎の先生が言っていた「雪との会話」なのかも知れん。
こんな感触味わっちゃったら、もー抜け出せない。
俺は禁断の果実を齧ってしまったのか。
ツアーに参加する人も礼儀正しく品が良い人が多い。金がないとできない遊びだから、器に余裕のあるヤツが多いのかも知れない。
リピートが多いガイドさんは人徳もあり魅力的だ。
色んな人と登ったけど、「苗場のあの北斜面滑りましたヨ」みたいなプロのライダーさんも複数いて、話聞いてるだけでも勉強になった。やっぱライダーはレベル高いね。
滑る時間よりタラタラした理屈説明が長いスクールや殿様商売な山屋のツアーと違って、あんな所やこんな所を滑ったり、かけがえのない体験がたくさんできた。
バックカントリー初心者の俺にとって、この春のバックカントリー体験は、ゲレンデ3年分位の濃い時間に感じた。雪質も毎回異なり難しかった。
ゲレンデのレッスンもそうだけど、片っ端から色々な先生・色々なツアーを体験したことは、様々なコースを滑ることができ、異なるアドバイスも頂け、大変勉強になった。
深い探求も重要だが、より多くの人と出会って交流する刺激も大切だと感じた。
↑霧の塔でご飯。(標高1994m)
バックカントリーは、クラウン受かろうがインストラクターの資格を持っていようが、あまり関係ない気がする。
ロープの向こう側での知識––––すなわち、毎日通い詰めているからわかる地形や雪質の変化、クラックや雪庇の状態、天候等の情報と、吹雪の中ビバークする体力・精神力の方がよっぽど重要だと思うからだ。
道を知っていれば一人でも来ることができる。けれど、帰れなくなった時の夜の雪山の恐ろしさは、木々にびっしりと育ったエビの尻尾を見れば一目瞭然だ。
下界のスキー場がクローズした後でも、山頂はまだまだ氷点下の冬山。山ですれ違う人々みんなに、事故などありませんようにと願うばかりだ。
↑雁が峰方面に、岩原スキー場が見える。
外の世界は、それはそれは広く、美しく魅力的だ。
スキー場に1番に乗り込んで、ゲレンデを1日100本滑っても、バックカントリーの1本には勝てない。
広大な雪山を登って滑る体験は、俺にとってはそのくらい、 中毒性の クオリティの高いものだった。
バックカントリースキー。重たい装備であのゲートの向こう側へ行く人々の気持ちが、少し分かった気がした。
やっぱスキーはすげーな。楽しすぎてヤバイよ。今年の俺、雪なしで夏越せんだろーか。
スキー: 今日の学び
最高に見えるバックカントリーだが、最大の問題も抱えている。
それは、オンナがいないことである。
いったいどーなってんだ雪山は。ぷりぷりのケツを見ながら滑りたい俺が迷うじゃねーか!
いのち短し、バックカントリー行こうぜ乙女♪[字余り]
By「生きる」 黒澤明(1952年)
男性陣の遭難を防ぐためにも、より多くのぷりぷりが、雪山に来てくれますように。