高所恐怖症の元スノーボーダーがフリースキー初心者となってゲレンデに戻った記録。
先日、モサモサ雪が降る中、俺はゲレンデにいた。ゴーグル外しても、世界は真っ白、視界ゼロ。
周囲も路面も見えないので、撤退する人も多く、ゲレンデはガラガラだった。
深雪でターンして、体を真っすぐにして止まったら、どうやら世の中の垂直と俺の考えていた垂直が違っていて、止まった瞬間、俺、立ちゴケ。あれっ?笑
何度滑っても、ターンのたびにコケる!
おお~、これが噂の「ホワイトアウト」っすか!
まるで牛乳の中にいるみたいだ。
平衡感覚が、いかに視覚に頼っているのかを再確認。雪山登攀中だったら遭難だ。
何度滑っても不整地が雪でリセットされるその日、俺は深雪パウダーの滑りを練習した。
板で弧を描いてスピードコントロールできない初心者の俺は、後傾気味のジャンプターンでジグザグに滑る。
太ももと腹筋パンパン!もはや筋トレ以外のなにものでもない。スキーとはなんぞや。
そのコースは後半、急激に斜度がキツくなる箇所があるんだけど、そこで電話が鳴った。
俺はコースの超端っこにいたので、電話のためにそこで止まったのね。
そしたら俺の真後ろで、ゾゾゾ!と音を立て、急ブレーキした奴がいたのよ!これまで一人で滑っていると思ってたから、超ビビったっすよ!
振り向くと、これまでの俺のパウダーしぶきで雪だるまになったオッサンが呆然と突っ立ってんの。笑
俺の雪浴びてるって、どんだけ近いとこ滑ってきたわけ?
どうやらそいつ、視界ゼロの中、俺を 人柱に 目印に、俺が滑った圧雪跡を細い板で辿ってきたみたい。
いつもいつもいつもなんで可愛いギャルじゃねーんだよ!!
雪だるまオッサンは俺が振り向いた瞬間、俺らの脇のノートラック30cm深雪でラッセルを始め、逃げて行った。つーか逃げなくてもよくね?笑
あのさー、スクールじゃないんだし。なんで初心者の俺の後ろついて来るの。あんたの方が上手っしょ!!
なんかゲレンデってあなたについて行きます♥系が多い気がするのは気のせいか?
もしかして、スキー場はドMの宝庫なのか?
スキー: 今日の学び
毎回毎回、スキー場に集まる人々が、面白くてたまらん。
ある日さ、かぐらスキー場のレストランのアンケートに、男の字で「かわいい女の子がいない」と書いてあったのよ。
周囲を見渡すと、ヨタヨタの婆さんばかり。
歩く姿はまるでゾンビ・アポカリプスだ。
その日は奇しくも、レディースデーであった。
涙が出た。